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野菜

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(※ 栽培データ:大阪市基準)

このジャンルについて

  1. ここにあるのは、主に、食用を目的として栽培する草本である。香草・薬草の類は、「ハーブ」の一覧に、また、果実を食用とする木本は、「果樹」に分類した。
  2. 野菜は、大きく分けて、葉や花茎などを食用にする「葉菜類」、果実を食用にする「果菜類」、根や地下の茎を食用にする「根菜類」の三つに分けられる。このうち、果菜類の多くは、春にタネをまいて作る夏野菜である。
  3. 基本的に、鉢やプランターで栽培(容器栽培)することを前提に解説している。植える容器の深さは、最低でも15cm以上欲しい。とはいえ、小型の葉菜類なら、イチゴパックくらいの深さでも作れる。
  4. 野菜には多くの園芸品種があり、同じ野菜でも、品種によって、育て方が異なることがある。整姿の方法や施肥の時期などを間違うと、収穫量が皆無になることもあり得るので、もし解説付きのタネ袋やラベルなどがあれば、必ずそちらの栽培方法に従う。また、品種名がわかっている場合は、種苗会社や、各地域の農業技術研究機関などのサイトで、その品種に合った育て方を見つけたいところ。
  5. 多くの野菜は、本来、多年草である。しかし、普通は、ラッキョウなど球根性のものを除き、秋まきまたは春まきの一年草として扱う。寒冷地では、ほとんどの野菜が春まきとなる。
  6. キャベツやダイコン、ホウレンソウなど、葉菜類や根菜類の多くは、春まきと秋まきの両方が可能である。しかし、春まきは、長日条件(夜間より昼間のほうが長いこと)によって、あまり育たないうちにトウ立ちし、食味が落ちることが多いので、トウ立ちの遅い春まき用の品種を選んでまくようにする。秋まきの場合は、そのような心配は全くない。
  7. 市販のタネは、病気の予防のため、殺菌剤が粉衣されていることがよくある。そのようなタネは、誤って食べないよう注意。ペットのエサにするのも厳禁。
  8. 春にタネをまく野菜は、室内で保温しながら早まきすると、早く発芽させることができる。戸外で早まきする場合は、タネをまいた土に、黒いビニールや、ホットキャップ(半分に切ったペットボトルの上半分でもよい)などをかぶせ、地温の確保に努める。畑の場合は、ビニールで畝の上にトンネルを作る。(いわゆる「トンネル栽培」。)
  9. タネから育てた場合、数回、間引きをすることになるが、葉菜類や、いくつかの根菜類(カブ、ダイコン、ニンジンなど)では、間引き苗も食用になるので、捨てない。
  10. 春まきのカボチャやキュウリなど、短日条件(夏至以降の、夜間が長くなる状態)で雌花を咲かせる夏野菜は、タネまきが遅れると、雌花が少なくなることがある。雌花が少ないと、結果的に、収穫も少なくなる。
  11. 市販の苗を購入する際は、下記のような苗を選ぶ。
    1. 茎が太く、節間が間伸びしておらず、全体的に草丈が低い。
    2. 葉の色つやがよく、葉の縁が縮れたり、変形したりしていない。(特にナス科野菜は注意。)
    3. ポットの底穴から根が見えるが、外に伸び出していない。
    4. 双葉が大きく、落ちずに残っている。
    5. 地際部分に、斑点など、病気の痕跡がない。
  12. トマトやナス、キュウリ、スイカ、メロンなどの苗は、接ぎ木苗と普通の苗(自根苗)がある。接ぎ木苗は値段が高いが、病虫害や連作障害に強く育てやすいので、慣れないうちは接ぎ木苗を購入する。
  13. トマトやナス、ピーマンなどの苗は、春になるとあちこちで市販されるが、本来の植え付け適期より、かなり早い時期に売り出されることが多い。苗を買ったものの、植え付け適期まで日数がある場合は、とりあえず、よく日光の当たる暖かい場所に置き、適期が来るまでそのまま育てる。その間、鉢底から根が見えるようなら、一回り大きな鉢に、根土を落とさないように注意して植え替え、適期を待つとよい。
  14. 多くの観賞用植物は、苗を定植する際、根鉢を少し崩して植え付けるが、野菜の場合は、生育の停滞を招くので行わない。多くの野菜は、根を触られることをひどく嫌う。植え付け時は、ポットからそっと抜き、土を一切崩さないよう注意しながら植える。なお、深植えは禁物。
  15. ミツバやミョウガなど、ごく一部の例外を除き、ほとんどの野菜は、十分な日照がなければ育たない。
  16. ほとんどの野菜は、酸性の土を嫌い、石灰分を好んで吸収するため、植え付け前に、必ず、土に苦土石灰を施しておく。だいたい、pH6.0〜6.5になるように調整すれば、どんな野菜でも育つ。
  17. 極端な水切れは、葉菜類なら葉の枯れこみ、果菜類なら落果、根菜類なら根の肥大不良の原因となる。真夏は、株元にマルチングをするとよい。
  18. 肥料は、幼苗の頃より、ある程度生長してからのほうがよく吸収するので、元肥より追肥に重点を置く。
  19. 葉菜類には窒素(N)を多く含む肥料、果菜類にはリン酸(P)を多く含む肥料、根菜類にはカリウム(K)を多く含む肥料を施すのが原則だが、一般的には、肥料の三大要素(N-P-K)が等量(10-10-10)含まれている肥料があれば十分。
  20. 野菜に限った話ではないが、中量要素(硫黄・カルシウム・マグネシウム)や、微量要素(亜鉛・塩素・鉄・銅・ホウ素・マンガン・モリブデン)が欠乏すると、生理障害が起きることがある。カルシウム欠乏によるトマトの「尻腐症」などは典型的な例である。堆肥や腐葉土などが十分に施された新鮮な土なら、これらの要素が不足することはないが、土質に自信がなければ、市販の「微量要素肥料」を適量施すとよい。
  21. 葉菜類は、生育期間の短いものが多いので、タネまき(または苗の植え付け)後、収穫まで一気に育て上げる。従って、水切れや肥料切れは禁物である。特に、株元から抜くのではなく、下葉や若芽だけをかき取って収穫した場合は、直後に必ず追肥する。追肥に用いる肥料は、即効性の液肥が向く。
  22. 葉菜類は、あまり根が長く伸びないので、小さめの鉢やプランターでも育てられる。また、ミツバなど小型の野菜は、水を含ませたオアシスやスポンジなどで栽培する、簡易水耕栽培も可能である。
  23. 果菜類は、果実がなり始めると、急に、水と肥料をよく吸収するようになる。トマトやナスのように、長期間、次々に実を付ける野菜は、成らせすぎると株の勢いが衰えるので、果実が適当な色・大きさになったら、どんどん収穫する。
  24. つる性の果菜類は、生育初期から施肥量(特に窒素肥料)が多いと、「つるぼけ」を起こし、つるばかり伸びて果実が成らないので注意。
  25. 根菜類を鉢やプランターで育てる場合は、どうしても、ミニ系の品種が中心になる。地植えにする場合は、土をできるだけ深く耕しておく。また、土の中に、石や化成肥料、未熟な堆肥などが混じっていると、根(または地下茎)の形がおかしくなるので注意する。(ダイコンの叉根が典型的。)
  26. 根菜類が、根(または地下茎)に養分を蓄える、栽培中期〜後期は、水と肥料を切らさないようにする。蓄えられる養分は葉で作られるため、元気な葉をたくさん茂らせることも大切。
  27. 野菜以外の植物は、小さな苗をいきなり大鉢に植えつけると、過湿害によって枯れてしまう。しかし、野菜(特に果菜類)は別で、小苗を、最初から大きな鉢やプランターに植え付けて育てることがよくある。
  28. ウリ科に多い、雌雄異花の果菜類は、正常に受粉が行われないと実が成らない。虫が少ない場所では、人工授粉したほうが確実。
  29. 同じ科に属する野菜を、同じ土で連続して栽培すると、特定の病気や害虫が多発し、うまく育たなくなることがある。この現象を「連作障害」という。連作障害を防ぐには、同じ土で同じ科の野菜を続けて栽培しないことが大切である。畑では、栽培地を分割して、別の科に属する野菜を順番にローテーション栽培する「輪作」を行う。
  30. 鉢やプランターで野菜を作る場合は、一回収穫が終わるごとに土を替えればよい。なお、連作障害は、野菜同士だけでなく、観賞用植物同士や、野菜と観賞用植物の組み合わせでも現れる。例えば、キク科のシュンギクを栽培した後に、同じキク科のジニアを植えても、生育が悪い。
  31. 菜園を借りて野菜を作るときは、連作障害に、特に注意しなければならない。以前に借りていた人が何を栽培していたかわからない場合は、連作に強い接ぎ木苗を植えるか、カボチャ、コマツナ、サツマイモ、タマネギ、トウモロコシ、ニンジン、ニンニク、フキ、ラッキョウ、ラディッシュなど、連作に耐える野菜を選ぶとよい。なお、アブラナ科野菜は、連作は好ましくないものの、意外と障害は出ない。
  32. 連作を避けたいのは、下記のような野菜である。()内は、空ける年数の目安だが、なるべく4〜5年以上空けたほうがよい。(特に、ウリ科やナス科、マメ科の野菜は、連作に弱すぎる。)
  33. 日本の野菜は、長い歴史の中で、地域ごとの気候や食生活にあった品種が選抜・保存されている。京野菜は特に有名で、「エビイモ(サトイモ)」「鹿茂ナス」「九条ネギ」「鹿ケ谷カボチャ」「聖護院カブ」「聖護院ダイコン」「すぐき菜」「伏見甘長トウガラシ」「堀川ゴボウ」「満願寺トウガラシ」「水菜」「壬生菜」などがある。その他、浪速野菜の「石川早生(サトイモ)」「大阪四十日(ダイコン)」「大阪しろ菜」「毛馬キュウリ」「中葉株張り(シュンギク)」「天王寺カブ」「水ナス」、加賀野菜の「打木赤皮甘栗カボチャ」「打木源助ダイコン」「加賀太キュウリ」「金沢青カブ」「金時草」「中島菜」などが有名どころである。
  34. こうした地方野菜(伝統野菜)は日本全国全ての都道府県に多数存在する。地方野菜は、その地方で栽培・調理してこそ真価を発揮するので、自分の地元の野菜を知り、育ててみるのも楽しいものである。ただし、地方野菜は概して収穫量が安定せず、耐病性が劣る傾向がある。また、種子が一般に流通しないことも少なくないので、入手に手間取る可能性もある。

野菜の水耕栽培について

  1. 水耕栽培には、小型の葉菜類(クレソン、サラダ菜、シュンギク、セリ、チンゲンサイ、ハネギ、ホウレンソウ、ミツバ、リーフレタスなど)が適するが、イチゴ、トマト、ミニトマトでも可能。球根の水栽培と違い、植物内に養分の蓄えを持たないので、水ではなく、肥料分を溶かした培養液で育てる。
  2. 培養液を、普通の液体肥料で自作しようとすると、濃度の調整が難しいので、水耕栽培専用の液体肥料を希釈して作るとよい。水耕栽培は、土がなく、根が肥料分に直接触れるため、肥料濃度が濃いと、すぐに肥料負けを起こし、枯れてしまうので注意する。
  3. まず、ウレタンかスポンジ、ロックウールなどを「培地」とし、2cm角(2×2×2cm)くらいに切り、上部に小さな穴を開けて、タネを1〜2粒ずつ埋め込む。タネをまき終わったら、浅い容器に水を張り、培地を並べて、発芽するまで日陰で管理する。発芽が始まったら、日光に当てる。
  4. 次に、水の漏らない大きめの容器と、発泡スチロール製のフタ、観賞魚用のエアポンプとチューブ、エアストーン、珪酸塩白土(商品名「ミリオン」)、培養液、を用意する。フタには、培地がぴったり収まる植え穴を、10〜15cm間隔で開けておく。(上の例なら、2×2cmの四角い穴を開ける。穴が大きすぎると、培地が水中に落ちてしまう。)なお、発泡スチロール製のフタがなければ、木の板や、料理用のラップ、アルミホイルなどでも代用できる。
  5. 容器には、培養液と、少量の珪酸塩白土(水腐れ防止用)を入れ、エアポンプにつないだエアストーンを沈めて、培養液に空気を供給させる。なお、培養液の水面とフタの間には、必ず1〜2cm程度の空間を作っておく。(球根の水栽培の場合と同じで、根の窒息を防ぐため。)
  6. 培地のタネが発芽し、本葉1〜2枚になったら、苗を一つずつ、丁寧にフタの植え穴にはめ込む。
  7. トマトのような大型の野菜では、作った苗を、いったん、5cm角くらいに切った大きめの培地に移植してから植え穴(もちろん5×5cmの穴)に入れないと、生長後に株元のバランスが悪くなる。なお、大型の野菜は、水分の吸収量も多いので、大型のトロ箱でも一〜二株しか作れない。
  8. 水耕栽培装置の置き場所は、雨が当たらない明るい場所ならどこでもよいが、直射日光が容器の壁面に当たらないよう配慮する。茎葉への光量が不足するようなら、観賞魚店で植物用蛍光灯を購入し、装置の上に設置するとよい。
  9. 苗の生長とともに、培養液が減っていくので、あらかじめ、水面に印を付けておき、減った分を補充する。このとき、追加する培養液は、最初から入っている培養液より、やや薄めの濃度にするのがコツ。
  10. 培養液の補充を繰り返すうちに、肥料分のバランスが崩れてくるので、月に1〜2回(真夏は週に1〜2回)、培養液を全て取り替えるとよい。このとき、容器内に藻が発生していれば、きれいに掃除する。作物の根が乾燥しないよう、手早く作業する。
  11. 真夏は培養液がお湯になりやすく、真冬は凍ってしまいがちである。そうなると根がひどく傷み、枯死しかねないため、水温管理に気を配る。水温計を設置し、水温を5〜28℃(できれば15〜25℃)の範囲に抑えるとよい。本格的にやるなら、観賞魚用のサーモスタットと水中用ヒーターも使用するべきである。
  12. 市販のポット苗を水耕栽培に利用したければ、根に付いた土を、水洗いで落としてから植える。(全て落とす必要はない。)このとき、根を傷付けないよう注意する。苗が水中に落ちないよう、植え穴は小さめに。
  13. 上記のような、大掛かりな水耕栽培装置を作らなくても、イチゴパックの底に少量の珪酸塩白土を敷き、その上にウレタンかスポンジ(ハイドロボールでも可)を敷いて培地とし、培養液をごく浅め(培地の高さの1/5〜1/4程度)に注いだだけの、ごく簡単な装置でも、水耕栽培は可能である。(ハイドロカルチャーの原理。)この場合、培養液は、頻繁に(週に1〜2回)入れ替える。小型の葉菜類を少量作りたいだけなら、この程度の装置で十分。
  14. 作物を収穫したら、古い培養液を捨てて容器を洗い、また苗作りから始める。土を使わないので、連作しても何の問題もない。

モヤシ(スプラウト)について

  1. モヤシ(スプラウト)は、アルファルファやブラックマッペなど、マメ科野菜のほか、ほぼ全てのアブラナ科野菜、それに、ゴマやソバなどで作れる。
  2. 一年中作れるが、温度が20℃程度の時期が最適である。最初に、タネを数時間水に浸しておくと、発芽がそろう。また、食べる1〜2日前に、直射日光を避けた明るい場所に置くと、双葉が緑色になり、栄養価が高まる。(「グリーニング」という作業。)
  3. 上記のように、市販のタネまき用のタネは、殺菌剤処理されていることがあるので、「スプラウト用」と明記されているタネを使う。
  4. 作り方は、いくつかの方法がある。よく知られている、イチゴパックで作る方法は、下記の通り。
    1. タネを水洗いして、浮いたタネやゴミを除く。
    2. 容器の底にスポンジかウレタン、脱脂綿などを敷いて水を含ませ、そこにびっしりとタネをまく。このとき、タネが重ならないよう注意。
    3. タネをまいたら冷暗所に置き、1日2〜3回、新鮮な水を含ませ続ける。余分な水は捨てる。
    4. 数日で発芽する。草丈が5〜10cmになったら、グリーニングを行い、食べる。
  5. 縦長の広口ビンで作る方法は、下記の通り。
    1. ビンの深さの1/10までたっぷりとタネを入れ(深さ10cmのビンなら厚さ1cm)、水を注いでタネをすすぎ、浮いたタネやゴミを除く。
    2. タネを洗い終わったら、水をよく切り、ビンの口に、ガーゼなどをかぶせて輪ゴムでとめ、フタをする。その後、ビンを冷暗所に置く。
    3. 1日2〜3回、水を注いでタネをすすぎ、洗い終わったら、また水を切っておく。
    4. 発芽が始まり、ビンの中が一杯になったらグリーニングを行う。グリーニング中、過度に乾燥させないよう注意。
  6. その他、ハイドロカルチャーの栽培方法を応用するのもよい。
    1. 水の漏れない適当な容器を用意し、底に根腐れ防止剤(珪酸塩白土など)を敷いてから、清潔な用土(川砂やパーライト、ハイドロボールなど)を入れ、そこに、タネを密にまく。
    2. 用土の高さの1/5〜1/4くらいまで浅く水を注いで、水が減ったら足す。なお、まくタネを少なめにし、ハイドロカルチャー用の培養液を与えれば、かなり大きく育てることも可能。
  7. よいモヤシを作るコツは、とにかく頻繁に水洗いすることと、洗うとき以外は常に暗い場所に置いておくこと、の二点である。なお、できたモヤシは保存できないので、収穫したらすぐに食べる。

植物名


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