
全ての病気を収録するのは無理なので、比較的有名だと思われる病気を載せました。ただ、植物の病気は、いい加減な病名が付けられていることが多く、全く別の病原体による病気でも、同じ病名になっていたりするので、分類に苦労しました。それでも間違いが多いと思うので、あまり信用しないでください。
薬剤ですが、一般の園芸店で購入できるものを優先して記載し、毒物・劇物に該当するものは除外しています。(一部、登録失効農薬や無登録農薬が混じっているかもしれません。)また、予防薬と治療薬の区別はしていません。(多くの薬剤は両方を兼ねていますが、例外もあります。)
薬剤についての基本的な知識は、「薬剤(農薬)」をご覧ください。
このジャンルについて
- 植物を害する病原体は、糸状菌(主にカビ)、細菌(バクテリア)、ウイルスの三つで大部分を占める。そして、植物の病気の約8割は、糸状菌が原因といわれる。
- その他、種類は少ないが、変形菌類や放線菌類、藻類、ファイトプラズマ(植物病原微生物)による病気もある。また、原因不明な病気も存在する。さらに、害虫の被害の痕跡が、病気のような症状を呈することもあって紛らわしい。
- 病気になった茎葉や花、果実などは、早めに全て取り除く。株全体に広がってしまった場合は、できれば抜き取り処分する。それらは深さ1m以上の穴を掘って埋めるか、焼却処分しないと、次回の発生源になる。
- 糸状菌による病気か、細菌による病気かが判別できなければ、とりあえず細菌用の薬剤を使用するとよい。(細菌用の薬剤は糸状菌にも効くものが多いが、その逆は少ない。)
- 土壌伝染性の病気が発生した土は、太陽熱消毒や焼き土などを行い、しっかり殺菌する。(「土」のページも参照。)よほどしつこい病気でない限りは、オーソサイド水和剤80やタチガレン液剤、ベンレート水和剤などを灌注する、簡易的な殺菌消毒でも効果がある。
- 農家の場合、土壌伝染性の病気が発生した土は、クロルピクリンくん蒸剤やバスアミド微粒剤のような劇物を使い、徹底的に消毒することが可能である。しかし、家庭園芸でまず無理であろう。一応、劇物でない土壌消毒専用薬剤に、NCSやキルパーなどがあるが、おすすめしない。そこまでするくらいなら、土を処分した方が賢明である。庭や畑なら、病気の出た部分の土を、深さ1mほど掘り取り、新しい土を投入すればよい。
- できれば、鉢・支柱などの器具も再利用しない。どうしても再利用したい場合は、まず石鹸でよく洗って乾かし、殺菌剤や熱湯をたっぷりとかけて消毒する。
- 池や川の水には、病原菌(特に疫病菌)が潜んでいることがあるので、植物に与えないほうがよい。
- 植物が濡れると、病原菌が繁殖しやすくなるので、茎葉に必要以上に水をかけたり、雨に当てたりしない。特に、雨に当て放題にすると、土中の病原菌が株元の土と共にはね上がり、茎や葉裏に付着してしまう。地植えの植物は、株元をマルチングするとよい。
- 植物に傷を付けると、傷口から病原菌が入る。剪定など、やむを得ないときは、傷口が早く乾くように計らう。傷口に癒合剤を塗るのもよい方法。茎葉を傷つける強風や害虫にも注意する。
- 周囲の雑草を生え放題にすると、通風を悪化させる上、そこから病原菌や害虫が飛んでくる。
- 枯れた植物の残骸や落ち葉、終わった花がらなどは、常にきれいに掃除しておく。そうしたゴミを放置して不潔にすると、腐生性の菌類が繁殖し、病気を誘発する。
- 病原菌が株全体に広がっている危険性があるので、病気が疑われる株からタネや子株、子球、挿し穂・接ぎ穂などをとらない。接ぎ木の台木にも使わない。
- 野菜や果樹なら、特定の病気や害虫に抵抗性を示す「抵抗性品種」を栽培することも検討したい。耐病性台木に接がれた「接ぎ木苗」もおすすめ。また、野菜類の場合は、タネまきや定植の時期を、意図的にずらすことによって、特定の病虫害を減らせることがある。
- 植物を購入する際は、じっくりと観察し、病気の痕跡のあるものを買わない。
- 健康体が病気になりにくいのは、植物も動物も同じ。結局のところ、日照、施肥、水やり、通風、温度、土のpHなどを適切に管理し、密植や連作を避け、株を健康に育てるのが、最も大切な病気予防法である。
- ただ、植物には免疫機能が無いため、一度かかった病気に対して抵抗性を持つことはできない。まるっきり動物と同じではない点には留意しておく。
- いうまでもないが、植物の病原菌やウイルスが、人間など動物に感染することはない。
糸状菌などによる病気
- 糸状菌は、多細胞の「菌糸」から成る微生物で、胞子を作って増殖する。キチン質による強固な細胞壁を持ち、薬剤に強い。(水虫菌がしぶといのもこのため。)死んだ細胞に寄生し、腐生性の強い「死物寄生菌」と、生きた細胞にしか寄生しない「活物寄生菌」、両方に寄生できる菌、の三系統がある。
- 糸状菌は、形態・性質などにより、藻菌類、子のう菌類、担子菌類、不完全菌類、などに分類される。藻菌類は、さらに鞭毛菌類、接合菌類、に分かれる。
- 糸状菌性の病気は、植物の病気の大部分を占めるだけに、その症状もさまざまである。茎葉に病斑を作るものや腐敗させるもの、地際や根を侵して立ち枯れを招くもの、コブなどのできものを作るもの、などがある。薬剤の種類も豊富で、治療できる病気が多い。(もちろん、治りにくい病気や、不治の病気も存在する。また、治療できるといっても、すでに病菌に侵されて死んだ組織が蘇生することはない。)
- 大雑把な傾向として、糸状菌性の病気は、発病部分に、粉のようなカビや、黒い粒々(菌核=菌糸の塊)を生じることが多い。また、枝葉に生じる病斑(変色部位)と輪郭がぼやけておらず、鮮明であることが多い。
- 糸状菌の姿や胞子は、肉眼ではほとんど見えない。が、菌核は時として2mm程度に達することがあり、はっきり見ることができる。
- 南方熊楠が研究していたことで有名な変形菌類(粘菌類)は、糸状菌に近い仲間らしいが、アメーバのような形状を持ち、自力で移動することができる。他の微生物を食べたり、寄り集まって子実体(キノコ)を作って繁殖したりする、奇妙な生物である。
細菌による病気
- 細菌性の病気は、一度発生すると完治が難しく、被害の程度によっては、諦めた方がよいことも少なくない。薬剤はあるが、過大な期待はしない。日頃からの予防のほうが肝要。
- 細菌は普通、一個の細胞から成る微生物で、種類によって、球状・楕円状・桿状(かんじょう=細長い柱状)など、さまざまな形状をしている。増殖は、分裂による。植物を加害する細菌の多くは桿状細菌で、鞭毛を持っており、水中を泳いで移動し、株にできた傷口や、葉裏の気孔などから植物体に侵入する。高温多湿を好む。
- 細菌性の病気は、茎葉を枯らし、腐敗させるもの、道管部を冒して急な立ち枯れを招くもの、がんしゅ状のできものを作るもの、などがある。大雑把な傾向として、病斑の輪郭がやや不鮮明で、病斑の周辺が黄色く変色することが多い。
- 細菌性の病気は、被害部分を切り取って水に浸し、軽く押さえると、切り口から汚白色の汁(菌泥)が出ることがよくある。(特に立ち枯れ性の病気に多い。)
- 薬剤で症状が治まったとしても、植物体の内部に病原菌が残っていて、再発することが多い。(特に球根植物やラン。)一度発病した鉢や土も同様。
- 防除に用いる薬剤は、銅剤(Zボルドー、サンボルドーなど)か、抗生物質(アグリマイシン、マイシンSなど)が一般的。前者は、発病部分の拡大を防止する予防効果に優れ、後者は、発病部分の治療に効果を発揮する。
- 植え付け予定の土はもちろん、まく前のタネや、植え付け前の球根も、一度、抗生物質で消毒すると、ある程度予防になるらしい。ただし、耐性菌が出現することがあるため、濫用は控える。
- 発病してしまったら、早期に薬剤を散布するが、チューリップやハクサイのように、銅剤に対して薬害の出る植物があるので注意する。また、散布後も効果が認められなければ、すぐに別の薬剤に切り変える。余談だが、アグリマイシンやアグレプト水和剤は、ブドウの幼果にかかると、種なしブドウにする作用があるらしい。
ウイルス・その他による病気
- ウイルス(ウイロイド含む)による病害は、植物が一度感染すると治療法が無い。しかも、伝染性の強いものが多いにも関わらず、その伝染経路(媒介昆虫など)について、まだ解明されていないことがあるようで、非常に厄介である。
- ウイルスは基本的に、外被タンパク質(カプシド)と核酸から成る、単純な構造をしている。核酸はDNAかRNAのいずれか一方しか持たない。(植物ウイルスの場合は、RNAであることが多い。)他の生物の細胞内に侵入し、その細胞の核酸合成・タンパク質合成機能を利用しなければ増殖できない。(故に、厳密には「生物」ではない。)種類により、形状は球状・糸状・桿状・棒状とさまざまである。電子顕微鏡でなければ見えない。
- ウイロイドは、性質がウイルスに似ており、種類によっては、ウイルスと同様の病害をもたらす。核酸はRNAのみで、外被タンパク質を持たず、ウイルスよりさらに小型である。動物に対して病原性を持つウイロイドは存在しないという。最初は、「ジャガイモやせいも病」の病原体として発見された。
- ウイルスやウイロイドによる病気は、多くの場合、葉や花に淡い斑模様が不規則に入るモザイク症状や、萎縮・変形などの奇形化、小さな褐色の壊疽斑点などを伴う。また、株全体が色あせて小型化し、著しく生育が阻害されることもある。
- ウイルス病かどうかの判別は、意外と難しい。葉や花に怪しい模様が見つかったら、まず、その裏側に、カイガラムシやハダニなどの害虫がいないか探してみる。また、萎縮・変形らしい症状が出ていたら、ナメクジなどにかじられなかったかを考えてみる。(若芽や若葉が虫害にあうと、そこから変形することがよくある。)
- 害虫の仕業でなかったとしても、いきなり株を処分するのではなく、とりあえず隔離し、少し様子を見たほうがよい。なぜなら、ウイルス病によく似た症状は、他の病気や生理障害、遺伝的な性質などによっても引き起こされるからである。(斑点性病害・葉焼け・変異による斑入りなど。)なお、ウイルス病は、根詰まりや肥料不足などで株が弱ると、特有の症状が一気に顕在化する傾向があるので、わざと試してみるのも手。(おすすめはしないが。)
- ウイルスや植物の種類によっては、感染してから目に見えて症状が現れるまで、数年かかることがある。この潜伏期間中は、ウイルスを保毒していても外見上全く分からないので、注意が必要である。
- ウイルス病判別法の一つとして、被害症状が出やすい植物(アカザ、センニチコウ、フダンソウ、ツルナなど)に対し、人為的に、疑わしい株との汁液感染を起こさせる方法(汁液接種法)がある。一応、やり方を簡単に書いておくと、まず疑わしい株の組織の一部をすりつぶし、炭化珪素の粉末(商品名…カーボランダム)をごく少量加えて、判定用の植物の葉全体に、軽くなすり付ける。なすり終わったら、余分な汁液を水で洗い流しておく。(ここまで、出来る限り素早く行う。)うまくウイルスに感染させられれば、数日で症状が現れる。
- 用具や手指の消毒に使う、第三リン酸ソーダ(リン酸3ナトリウム)は、水で希釈し、3〜10%液にして用いる。希釈濃度が高すぎると消毒効果が劣る。浸す時間は、ほんの数分で足りるが、万全を期すなら20分ほど浸しておく。市販の第3リン酸ソーダは、「ビストロン-5」「ビストロン-10」などの商品名である。なお、第三リン酸ソーダは強アルカリ性のため、肌の弱い人は、ウイルス予防薬の「レンテミン液剤」で消毒したほうがよい。
- 発病株や疑わしい株の植わっていた古土を再利用したければ、土中の残滓に残るウイルスはもちろんの事、それを媒介するセンチュウやオルピディウム属菌、ポリミキサ属菌などを確実に死滅させるため、焼き土にするなど徹底的に消毒する。その土で発生したウイルスの種類が分かっている場合は、そのウイルスに感染しない植物を選んで植え付けるのも手。
- 疑惑の鉢を再利用したい場合は、鉢全体を火であぶるか、30分〜1時間ほど煮沸する。オーブンを使い、160℃で最低20分加熱してもよい。(いずれも、プラスチック鉢では不可。)第三リン酸ソーダの3〜10%液に1時間ほど浸しても消毒できる。その場合、使用前に水でよくすすぐ。
- その他、家庭用の塩素系漂白剤を10倍に希釈した液に浸しても、いちおう消毒になるらしい。が、第三リン酸ソーダに比べると確実性に欠ける。
- また、空の鉢を2年以上(できれば5〜10年)、戸外で太陽光線と雨に当て放題にしておくと、ウイルスが滅少する。(普通、ウイルスは、他の生物の細胞内に侵入できなければ、じきに活性を失うが、中には数年間生き延びる種類があるという。)
- 一つの植物に、近縁のウイルスが2種類以上感染すると、互いに干渉しあい、病状が現れないことがある。そのため、健全な植物に、予め、害の少ない弱毒性ウイルスを接種しておくと、その後、近縁の強毒性ウイルスに感染しても、発病を抑えることができる。(ウイルス同士の種類が違いすぎると効果がないらしい。)この技術は、野菜類やカンキツ類の一部で実用化されている。
- ナス科植物の大敵として知られるTMV(タバコモザイクウイルス)は、伝染力が非常に強く、被害葉を乾燥させても死滅しないため、タバコで伝染する。(市販のタバコのTMV保有率は、90%〜ほぼ100%だという。)喫煙したら、そのままの手で植物に触れないようにする。なお、このウイルスの被害にあうのは、ナス科植物だけではないので油断しない。TMVは、アブラムシによる媒介こそ無いものの、種子伝染・土壌伝染する。
- ウイルスは、感染した植物全体に分布するが、例外的に、生長点(生長が盛んな芽や根の先端部分)の一部には存在しないとされる。そこで、その部分の組織だけを切り取って培養すると、親株と同じ性質ながら、ウイルスに感染していない株を得ることができる。これが「ウイルスフリー」と呼ばれる株である。
- ただし、植物によっては、完全にウイルスのいない株にすることはできない(例、ラン科植物など。)。そのため、「ウイルスフリー」には、「ウイルスに感染していても、表面上症状が無く、生育不良になっていない株」も含める。
- 植物によっては、最初から高確率でウイルスを保毒している。ウンシュウミカンがよい例で、日本にある株の多くは、弱毒性のトリステザウイルスに感染しているという。このウイルスは、接ぎ木によってのみ伝染する。なお、強毒性のトリステザウイルスは、かなりたちの悪い種類で、木全体を枯死させたりする。
- 抗ウイルス剤がなかなか作られないのは、ウイルス増殖方法の特異性が一因らしい。上記のように、ウイルスは自己増殖機能を持たず、寄生相手の細胞が持つ増殖機能を借りながら数を増やす。ということは、「ウイルスの増殖を抑える=寄生された細胞ごと潰す」ことになるわけで、寄生されている生物に大きな害が及ぶ。現在のところ、ウイルスだけに効く薬剤は開発されていない。(動物ウイルスの場合は、細胞内で増殖したウイルスが外に放出されるのを阻害する、などの抗ウイルス薬が存在するが、植物ウイルスには無い。)
- ウイルスではないが、ファイトプラズマによる病害も、ウイルス病に似た症状を示すことが多い。ファイトプラズマとは、かつて「マイコプラズマ様微生物(MLO)」と称した、植物病原微生物である。性質は細菌に近く、テトラサイクリン系抗生物質が効き、自己増殖機能を持つ。しかし、細胞壁を持たない、人工的に培養できない、細菌よりずっと小さい(ウイルスよりは大きい)、などの違いもある。
侵入・伝染経路
- 植物の病気にも当然、感染・発病に至るまでの経路がある。主な感染経路としては、以下のようなものがある。
- 空気伝染…風に乗って空気中に胞子が舞い上がり、別の植物体に感染する方法。胞子で殖える糸状菌に特有の経路である。糸状菌の種類によっては、数千kmも飛ぶ。
- 水媒伝染…流動水によって病原菌や胞子、菌核などが運ばれ、別の植物に感染する方法。河川やため池、用水路の水だけでなく、雨水の跳ね返りも含む。
- 土壌伝染…土中にもともといた病原菌やウイルスが、新たに植えられた植物に感染する方法。自ら感染する場合と、土中の媒介微生物の手を借りて感染する場合とがある。以前に病気が出た土の中には、発病株の残滓(枯れた残骸)が残っており、その中に病原体が生存していることが多い。
- 汁液伝染…ウイルスやファイトプラズマの主たる経路である。糸状菌や細菌にも、わずかに見られる。罹病している植物から出る汁液には、病原体が多数潜んでいることを忘れてはならない。
- 虫媒伝染(昆虫伝染)…二通りの経路がある。
- 吸汁性害虫による伝染…植物の汁液を吸って暮らす害虫(アブラムシ、ウンカ、ヨコバイなど)が、罹病した植物の汁液を吸うと、体内に病原体が入る。その虫が別の植物の汁液を吸うと、病原体が注入されて伝染する。
- それ以外の虫による伝染…ある虫が、何らかの原因で病原菌や胞子、菌核を体に付着させ、そのまま植物に触れると、病気がうつる。
- 人間による伝染…罹病した植物の剪定などに使った刃物を、消毒せずに別の植物に使い回すと、病気がうつる。刃物を使わず素手で行ったとしても、一株ごとに手を洗わなければ同じ事である。
- 種苗伝染 …どの病原体にも見られる経路だが、特に、ウイルスに多い。以下のような経路がある。
- 挿し木伝染・苗木伝染…もともと罹病している植物から、株分けや挿し木、取り木などで新しい苗を作ると、親の病気をそっくり受け継いだ子苗ができあがる。
- 種子伝染…発病株から採られたタネの内部(胚や胚乳の中)、あるいは表皮に、病原体や胞子が潜んでいると、発芽後に発病する。
- 接ぎ木伝染…接ぎ木に用いる穂木と台木のいずれか一方、あるいは両方が、もともと罹病していた場合、接ぎ木後に発病する。果樹に多い伝染経路で、「高接ぎ病」と呼ばれる。
- 植物体に付着した病原体が、実際に植物体の中に侵入・発病するには、以下のような方法がある。
- 気孔侵入…葉裏にある気孔から侵入する方法。植物体に元々ある穴を使うため侵入が容易で、この方法を採る病原体は多い。
- 傷口侵入…害虫による加害の跡や、人間による剪定傷、風で枝葉が擦れた事による微細な傷なども、病原体の侵入口となる。病原体の侵入経路としては最も一般的。
- 細根からの侵入…土の中にある細根は表皮が薄いため、病原体に侵入されやすい。
- 柱頭侵入…柱頭とは、雌しべの先端のことである。花粉管を受け入れる都合上、表皮が薄いため、病原体に侵入されやすい。
- 皮目からの侵入…皮目(ひもく)とは、樹木の堅い表皮上に存在する通気口である。葉裏にある気孔と同様、植物体に元々ある穴なので、病原体に狙われやすい。
- 表皮侵入…植物の表面に付着した病原菌や胞子・菌核が、菌糸を伸ばして表皮を突き破り侵入する。糸状菌に多い方法。
病名